初恋は実らない
「よっ、実咲!」

「どしたの、淳ペー? こんな時間に珍しいね」

「ん、普段は予備校に直行なんやけど・・・。
ちょっと用事があってな」

「そうなんだ・・・」

久々の会話。
やっぱり身近な受験の話に行きつく。

淳ペーの志望校はやっぱり、あの超難関校で。
理系3教科をベースに相当勉強している風だった。


「実咲は? どこ受けるん?」

「あ、あたし!?」

突然、話題を振られ慌ててしまう。
受験の話に限らず、常に会話は私の質問に淳ペーが答えるのが基本だったから。


「ま、私は身の丈に合った大学を選びますよ・・・」

「それって、具体的にどこやのん?」

「いや~、それはこれからボチボチ・・・? (^_^;) 」

「なんやねん! はよ目標定めなアカンやろ!?」


まさか淳ペーに説教されるとは・・・。

< 86 / 284 >

この作品をシェア

pagetop