凶悪ペンギン。
 
「βд,Θпрсррυ!(ヤダ、暴れちゃダメ!)」



よ、よしっ!
ビビりやがったな、自力で離れてやったぜ、ふっ……はあ……。



「ΠχφωρУЬυκτ,Λφгзи……(船にいる間ぐらい仲良くしようよ、ペンギンさん……)」

ナニ言ってんだかサッパリ分かんねえんだよ、この白毛皮めっ。
まったく、厄介なのに絡まれちまったな。

何とかしなきゃいけねえ、とりあえず海に帰るコトから、いや白毛皮から逃げ──

「もっきゅうん!」

「Фεηιτρξμκμλπ……(コッチの子は人懐っこいのにねえ……)」



──ん?!



「お、おいコラてめえ! 得体の知れないヤツに魂売るんじゃねえっ!」

「きゅん? ナデナデしてくれるよ? 気持ちいいよ?」

「バカッ、喰われたらどう」

「きゅ、分かった! ヤキモチ妬いてるんでしょっ! んもう、それならそうと言ってきゅんっ」



……もうアイツはどうでもイイ、骨を拾った事にしておこう。

とにかく逃げるぜ、逃げてやるぜっ。
アイツが白毛皮を引き付けている間にオレ様だけでも──

「こ」

「の」

「フ」

「ネ」

「ええいっ、起きたのかっ、起きてたのかっ、起きやがったのかアザラシ! だったらさっきみたいにサッサとトットと一目散に喋りやがれええええいっ!」

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