記憶のない少女
私の応答に彼は顔を少し歪めた。
「ん?なんで・・・そうみたいです??」
「あ・・・私思い出せなくて。」
そう答えると彼は納得した様子で
声が低くなる。
「そっか・・・ごめん。」
「え・・・いや、謝って欲しくて行ったわけじゃないので・・・そのっ」
おどおどする私に彼は
少し表情を戻した。
「えっと・・・泉だよね?泉はそこの病室だよ。」
そう言って指をさす。
「あ!ありがとうございます」
私はお礼を伝え病室に駆け込んだ。