ウラもオモテも
「どっちかに、絞った方がいいんですか?」
「完敗。君には敵わない。
惚れたものの弱みだね」
彼は会社では決して見せない蕩けるような笑みを浮かべ、体中が融けていきそうな長く深いキスをしながらシーツの海に押し倒すから。
――おかげで私は今日もまた、『私のほうが惚れてますよ』と伝えることができなかった。
「完敗。君には敵わない。
惚れたものの弱みだね」
彼は会社では決して見せない蕩けるような笑みを浮かべ、体中が融けていきそうな長く深いキスをしながらシーツの海に押し倒すから。
――おかげで私は今日もまた、『私のほうが惚れてますよ』と伝えることができなかった。