片道20分
「あっづー!走りすぎて疲れたよもーっ」
3-Fの教室で私は今日も嘆いている。
黒色ボブで、身長は162cmほどの平凡な女子高生。
「彩あ…あんた遅刻ばっかしてたら留年だよ?何でこんな遅刻ばっかするかなあ」
呆れ顔で高原 亜依子は言う。
亜依子はもう3年も一緒にいる。
栗色のサラサラストレートが特徴の、ほっそりした可愛い子。
「亜依子ほら、仰いで仰いで!暑くて倒れそうだよっ」
「はいはい…」
亜依子のパタパタ…と下敷きを仰ぐ風が気持ちいい。
「うっひょー!涼しーい」
こんな毎日を私は送ってきた。