片道20分

「吉岡…お前はいったい何を学んでるんだ…?」


わなわなと震えている先生を前に私は


「えっと…あは…」


何も言えずにいた。


「あは…じゃないだろ…ハア…」


「すいません、今後気を付けますっ!」


そう言い残して職員室のドアを押す。


「コラっ吉岡!!話は終わってないぞ!!」


そう叫ぶ先生の声を背中で受け止め、階段を降りる途中


「また遅刻かよ、吉岡」


憎たらしい顔が目の前にあった。


「ゲ、笹倉!」


「ゲって何だよ!」


こいつ 笹倉 亮太は高校の同級生。
3年間クラスが一緒で
いつも私を小バカにしてくる。
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