鈴姫
秋蛍が扉を開けた途端、大臣らしき男が部屋に飛び込んできて、秋蛍はさっと飛びのいた。
「か、華京様!」
「何だ。今香蘭に大事な話をしようとしているところだ!」
華京は首を振りながら額に手をやり、大臣を面倒そうに見た。
「それどころではないのです、華京様!」
大臣のおかしな様子に、華京は眉を寄せた。
香蘭もただごとではない雰囲気を感じ取り、汗を流す大臣の口が開くのを待った。
大臣は青い顔で懐から何かを取り出し、前に突き付けた。
「香と鈴が、宣戦布告してきました!」