帰ルトコロ
泣きながら本当にか細い声で、レイが言った。
正直、嬉しかった。
「また…、お前親父さんと同じこと言ってる。親子だな。」
少し笑ってみせると、レイは泣きやまないまま頬を膨らませて怒った。
「私は真面目に言ってるの!笑わないでよ…。」
いつの間にかアキト笑ってるし…、そう言ったレイは、困ったように笑った。
「泣くか怒るか笑うか、どれか一つにしろよ…。忙しい奴…。」
そういった俺も、お前がいてくれたおかげで笑えたんだ。
ありがとう。
家族になる資格はないけれど、俺はお前が大切だから。
お前を命に代えても護るよ。
大切な村の人たちの笑顔を消さないためにも。
何しろ、お前は女子にも男子にも人気者だからな。
俺は決めたんだ。
この時に。
何があってもお前を護る…。