おにいちゃん。



「あっ、見て。」

「ん?」

あたしがぉにいちゃんに勧めたのは…


「クマノミ!」

「可愛いねッ」


「…………――。」

「え?」

「嘉穂」

「何―――……っ」






「俺彼女と別れた。」

「……え…?」

…え? 

ついこの前…

ぉにいちゃんの部屋で… 
「俺、どこがダメだったのかな…?」

「…………っ。」

ダメなとこなんて…

ないよ……? 

「……ごめん嘉穂。お前にこんな話して。」

「………えっ……うん…」

…ぉにいちゃん…。 


「イルカのショー、見にいこっか。」

「……。」

彼女と別れたのに 

なんであたしと水族館なんかに来たの? 


「嘉穂?」


あたし 

彼女の代わりになっても 
いいの? 

「お前……」 

あたしバカなんだから…

期待しちゃうんだよ…? 
「泣いてんのか…?」



「―…っ泣いてないよ」

「バカ……っ」

………っ? 

何が起こった…? 

どうなったの?? 


「お…ぉにいちゃ…っ?」

あたしの頭は混乱した。 

なぜなら 


あたしは今、 


愛する、ぉにいちゃんの腕の中にいるからだ…。











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