おにいちゃん。



ギシッ―…

ギシッ―… 




隣の

おにいちゃんの部屋から 
聞こえてくる…音。



「……っ」



この音聞くたび、 

涙が出てくる。


『……っあぁ…!!』 


耳を塞ぎたくなる 

女の甘ったるい声。 



やめて… 

おにいちゃんが 

汚れるッ…






“ガチャッ…”


『じゃあ、また来るね。』
『おぅ、またな。』


“ガチャン…”


「……っう…っく…」


おにいちゃんの 

…ばかっ 




“コンコン”

「ふぇ……?」

『嘉穂〜…入っていい?』

本当はやだけど。 


「…ぅ。どぉぞっ!!」

勝手に入ればっ?!   

“ガチャ”

「お邪魔しまーす。」


ごしごし! 

ぁたしはおにいちゃんに 
ばれないように 

涙を拭いた。 



「…あれ?嘉穂…」

泣いてること…ばれた? 
「な…っ何?」

「…お前、花粉症だっけ?」


… 

カッチーン 

「はぁ?!花粉症?!あほか?!くそ兄貴がっ!出てけっ!!」


「えっ…ちょ…っおい!?」


ばたんっ! 


「…何がっ花粉症だよっ馬鹿ッ…!」








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