おにいちゃん。



「…嘉穂〜?」

「…っるさぃ!あっち行って!」

花粉症って思われて、本当はホッとしなきゃなのに。 
(あ〜あ…なんであたしってこんななの…?)

「なんだよ〜…あっ…もしかして…」

(なっなによ…もしかして何よッ?!)

「お前ケータイ小説読んで感動してたんだろ?!」


…プチン。 

「…こっの…!」

がちゃッ!! 

「お!嘉穂!やっと開けてくれ…ッ?!」

目の前にいるおにいちゃんの顔は、予想どうりの顔をしていた。 


あたしの目からは、大粒の涙が溢れていたから。 


「…っしつこい!!」

「え…と、ごめん…。えっ?!なんでそんなに泣く?!」


「ぉにいちゃんには絶ッ対、教えないっ!」


「え!?なんでだよ!教えろよ!」

そういって、おにいちゃんはあたしの二の腕を掴んだ。 


あたしはノースリーブだったから、おにいちゃんの体温を直に感じた。 


「ちょっと来い。」

「え…っ?!やだ…っ?」

強引に、ぉにいちゃんの部屋に連れて来られた。 


「…ココ座れ?」

そういって座らされたのは、ベッドの上。 

「…うん。」

すると、おにいちゃんはあたしの前にあぐらをかいて座った。


(やば…スカートだから、見える……ッ)

あたしはスカートを押えた。 



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