おにいちゃん。



「なんだよ?もったいつけて…」


「じゃあ言うけど」


「言ってみろよ?」


「こんなこと言うのは、もう遅いかもしれないけど」


「…」

頑張って あたし


「おにいちゃんに」


大丈夫 言える


「ひとつだけ…お願いがあるの」


「お願い?…何?」


「…嫌なら、断って。」


「いいから、お願いって?」





「今日まで」



「あたし、」




「おにいちゃんを好きでいても…いい…?」


「………は」


やっぱり、

もう遅いのかな…?


「ごめんね、変なこと言って…」


「そんなお願い、受け入れるに決まってんだろ!?」


え…?


「おにいちゃん…本当?」

「おにいちゃんって呼ぶの?」


「……ッ裕恭〜ッ!」


やっぱり

大好き…!


裕恭…!!



忘れるなんて

できないよ…!





「でも、裕恭…?」

「ん?」

「さっき言った通り、今日までだから…。」

「12時までってこと…?」

「…うん」


すると裕恭は笑ってこう言った。

「なんか、シンデレラみたいだな!」




あたしはシンデレラなんかじゃないよ。

だってシンデレラは

最後

王子様と結ばれて、

幸せになるもん…。





あたしたちが

結ばれることはない。


明日が来たら

終わる。



まるで

人魚姫…。
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