おにいちゃん。




朝。


目が覚めると隣におにいちゃんはいなかった。


「…おにいちゃん…」

昨日の夜のことを思い出すと、


まだ、胸が痛む。

涙が、こぼれる。



おにいちゃんは

これまでになく

優しく、すごく大切に、


あたしを抱いてくれた。



「…おにぃちゃぁん…っ」


でも

おにいちゃんはもう、

隣にいない。


あたしとおにいちゃんの関係は、


ただの『兄弟』に戻った。


今頃おにいちゃんは

元カノのところにでも行っているんだろう。





あたしとおにいちゃんの関係は、もう終わった。あたしはこうなることを望んでいた。



それなのに………



おにいちゃんが隣にいないというだけで



心が苦しい。



死んでしまいそうなほど、
心が痛い。









「……〜〜っ」









最後にあたしは、


おにぃちゃんにとても大切にしてもらえて


すごく幸せでした。









ありがとう…

おにいちゃん。
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