My Prince, Your Prinses
彼は、S(スペルビ)・スクアーロ。
日本に居た時・・・たしか三歳か四歳くらいの頃かな。
・・・・・・えっと、まぁいろいろあって仲良くなったの。
でも、私がイタリアに行く前に突然姿をけしちゃって。

そのあと、すぐにさがそうとしたんだけど、ちょっとバタバタしちゃって、そのままになってた。


「15年ぶりくらい?」
「それくらいになるなぁ・・・」
「・・・髪、すっごく長いね」

そういって、スクの髪にそっとふれた。

「・・・・・・なるほど、スクはその人のことが、とっても大切なんだね」
そう、ポツリと呟く。

「!!??」
「ぇ・・・どゆこと!?」

小声を拾っちゃったみたいで、みんなが反応した。

「・・・・・・頑張ってきたんだね、今まで。」
私は、スクに向けて、今度は彼にしか聞こえないような小さな声で。
そして――――――――ギュッ。

思わず、抱きついてしまった。
自分でも、なんでだか分かんないけど、
言いたいけど言えない、
いろんな感情が、いろんなもので、
胸がいっぱいになって、
泣きそうになってしまった。

大きな背中にまわした手にかかった長い髪を指でゆっくりといて、背中をポンポン、ってたたいて、体を離した。

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