花恋-はなこい-
真由は一生懸命

混乱する頭を整理しながら、

圭輔に掛ける言葉を探す。


でも、今の真由には

その言葉自体が出てこない。


静まり返った教室に

真由のすすり泣く声だけが響く。


そんな真由の肩を

杏奈が優しく抱きかかえる。


と、突然、

教室のドアが勢いよく開けられた。


真由たちが一斉に

その方へと目を向ける。


「藤岡君! 翠さん!」


蒼と翠がにやけた顔で

その場に立っていた。





< 153 / 306 >

この作品をシェア

pagetop