花恋-はなこい-
消えた証
距離を置こう―――


圭輔から放たれた言葉が

真由の頭の中でガンガン響く。


あんなにお互い

必要としていたのに、

気持ちがちゃんと

通じ合っていたはずなのに、

どうして、どうして

信じてもらえなかったのだろう。


その圭輔の言葉通り、

毎日放課後に迎えに

来てくれていたのが、

今日、姿を見せることはなかった。


蒼の執拗な誘いを

どうにか振り切り、

真由は1人寂しく家へと

帰宅していた。


「どうして……」


ベッドに横たわりながら

ぼうっと天井を見上げる。


圭輔の表情が浮かんでは

すうっと消えていく。


真由の目からはまた

うっすらと涙が浮かんでいた。




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