花恋-はなこい-
そう叫びながら

床を思い切り蹴りつけると、

蒼は体育館を後にした。


そして翠も

蒼を追うようにして

体育館から出ていった。


鳴りやむことのない祝福の拍手に、

真由は全身で幸せを噛み締める。


「けいくん。……大好き」


真由が小さな声で言う。


すると圭輔が

ふふっと笑いながら、

「俺も、真由のこと好きだよ」

と言い、

今度はしっかりと

真由を抱きしめた。




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