花恋-はなこい-
圭輔の顔が一瞬にして

赤く染まる。


なんとなく、

繋いだ手がじんわり

温かくなったような気がした。


「あ、そうだ」


圭輔の言葉に

真由はびくんと反応した。


こう切り出す時、

真由はいつも少なからず

構えてしまう。


しかし、圭輔は

やんちゃなイタズラっぽい表情を

見せていた。


「これから『ナノン』に行こうぜ。

 せっかく一緒に帰るんだし、

 ……プリクラ、撮らないか?」


真由は驚きのあまり

目を丸くした。





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