花恋-はなこい-
実は圭輔は写真が大嫌いで、

自分自身が写るのはもちろん、

撮るのも苦手なのだ。


そんな圭輔の口から

そんな提案が出るなんて、

真由には信じられない。


固まる真由を横目で見ながら

圭輔が言葉を続ける。


「……俺とプリクラ、嫌か?」


真由は勢いよく頭を

横にぶんぶん振る。


こんな貴重な機会、

逃すなんてもったいない。


「撮る!

 けいくんと一緒にプリクラ、

 撮りたい!」


弾む真由の声に

圭輔はにっこりと笑い、

「じゃあ、決まり。

 行こうぜ」

繋いだ手を軽く引っ張っり

走り始めた。




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