花恋-はなこい-
『ナノン』の入口を

駆け抜ける。


手を繋いだまま

人の波をするりと

通り抜けていく。


なんだかちょっとした

恋愛映画のワンシーンみたいで、

真由はなんだか

くすぐったく感じていた。


でも、はち切れんばかりの

嬉しさで心はぽかぽかしていた。


迷わずエスカレーターで

3階まで駆け上がる。


建物の一番奥に、

ゲームセンターがある。


その中にプリクラが

何台か設置されている。


プリクラコーナーの前に着くと、

圭輔はその煌びやかな機械に

しばし唖然としていた。


そんな姿に真由は

くすっと笑いながらも、

圭輔を軽く突付きながら

話しかけた。




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