花恋-はなこい-
真由はふと隣に目をやる。


杏奈が雄姿を

その目に焼き付けようと

じっと聡史を目で追っていた。


真由もまた視線を前へ戻し、

聡史へと向ける。


聡史は来賓の方へ

一礼したのち壇上へ上がり、

校長先生の前で立ち止まった。


そして胸ポケットから

答辞の書かれた紙を取り出し、

ゆっくりを話し始めた。






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