花恋-はなこい-
メガネを外した顔は、

モデルのように

すっきり整っている。


真由でさえも

鼓動が早まってしまう。


杏奈だったらきっと

もっと時めいてしまうだろう。


歌声も低音がよく響いて、

すごく落ち着く。


目を閉じると、

まるで本物の歌手が

いるのではないかと思うほどだ。


「さすが、先輩だな」


圭輔がそっと

真由に耳打ちした。


本当にその通りだ。


きっと聡史だからこそ、

この雰囲気を

かもし出せるのかもしれない。


聡史が歌い終わると、

待ってましたと言わんばかりに

杏奈と圭輔が

マイクを取り合うように

歌い始めた。





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