花恋-はなこい-
結婚―――


圭輔とは

将来を約束しているが、

まさか、今、

この言葉を圭輔から

訊くとは真由は

思っていなかった。


鼓動がどんどん早まる。


頬が火照って熱い。


「もちろん俺たち未成年だから、

 親の許可もらわないと

 いけないんだけどさ。

 でも、俺はずっと前から

 この日に決めてたんだ。

 俺が18になったら、

 真由と結婚するって」


圭輔に握られた手が

微かに震える。


圭輔もまた

緊張しているのだろう。


その手がふとはなされると、

圭輔は真由に向かって頭を下げ、

今まで握っていた手を

真由の前に差し出した。


「俺と……。

 俺と、結婚してください」








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