花恋-はなこい-
真由の父親の顔を見て、

圭輔はちょっと

気が楽になったのか、

肩の力を少しだけ抜いた。


「おじさん、お久し振りです」


圭輔の言葉に

真由の父親が2,3度頷く。


そしてお茶を口に含むと、

もう一度圭輔に

視線を合わせて口を開いた。


「で、どうしたんだい?

 改まって

 圭輔君から話があるって」


真由の父親の表情は

柔らかいものの、

ちゃんと上手く話せるのか

そしてそれを

受け止めてもらえるのか、

圭輔の心に重圧がのしかかった。


静かに息を吐くと

圭輔は意を決して話し始めた。


「おじさん、

 今日は急にお邪魔してすみません。

 おじさん、そして

 おばさんにも

 僕の話を聞いて頂きたいんです」









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