花恋-はなこい-
「真由さんと

 結婚させてください!

 まだお互い

 高校生だっていう事は

 分かっています。

 卒業してからでも

 遅くはないって事も

 分かっています。

 でも……、やっぱり

 18歳になったその日に、

 僕は真由さんと

 籍を入れたいんです。

 おじさん、おばさん。

 お願いします!」


圭輔は顔を真っ赤にしながら

必死に気持ちを出した。


言い終わった圭輔の息は乱れ、

室内にその息の音だけが響く。


しばらくの沈黙の後、

真由の父親は座ったまま

後ろへのけぞった。


「いやー。

 こんな日がこんなに早く

 来るなんて……。

 圭輔君には参ったなー」


そう言う真由の父親は、

頑固な父親の表情ではなく

むしろ幸せそうな

ふんわりした笑顔だった。





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