花恋-はなこい-
「え……。お父さん?」


意外すぎる反応に、

真由の方が困惑を隠せない。


目を丸くする真由に

今度は真由の母親が

口を開いた。


「実はね。最近、

 お父さんと2人で、

 『圭輔君だったら

 真由を任せられるわね』

 って話したばかりなのよ」


嬉しそうに話す

真由の母親に、

真由と圭輔は目が点になる。


一体いつ2人は

話していたのだろうか。


学校行ってる時?


それとも寝てから?


まさか両親が

そんな事を話しているとは

思っていなかった。


その場で固まる2人を見て

真由の両親はにっこりと笑った。


「圭輔君」


「は、はい」


突然、真由の父親に呼ばれ、

思わず圭輔の声が上ずる。


そんな事は気にせず、

真由の父親はそのまま続ける。







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