花恋-はなこい-
真由の心臓はずっと

ドクドク激しく打ち付けている。


顔が火照って

真っ赤になっているのが

自分でも分かるくらいだ。


「これで、……

 結婚したんだよね」


真由が消え入りそうな声で

呟く。


圭輔は静かに握っている手に

少しだけ力を入れた。


「これからよろしくな。

 俺の奥さん」


圭輔の言葉に、

真由は一層顔が火照るのを感じる。


奥さん―――


まだ実感はないけれど、

これからゆっくり

頑張るからね……


そう真由は心の中で呟いた。








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