花恋-はなこい-
エレベーターから降り、

真由ははやる気持ちを

抑えながらもパタパタと走る。


起きた時

あんなに重く感じた身体が、

彼に近付くごとに

どんどん軽く感じる。


顔もどんどん赤く染まり

笑顔になる。


「おはよ、けいくん」


圭輔は真由をみるなり

甘い笑顔でかえした。


「おはよ、真由」


真由が圭輔の前に

すっと立つと圭輔は小さく頷き、

ゆっくりと歩き始めた。


真由も圭輔に寄り添うように、

でも適度に距離を置きながら

並んで歩き始める。




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