花恋-はなこい-
真由は圭輔の母親が

用意してくれた、

あふれんばかりの

愛情がこもった料理を

ご馳走になり、

心の底からぽかぽかに

温まっていた。


自分でさえすっかり

忘れていた誕生日。


それなのに圭輔は

ちゃんと覚えていてくれて、

こんなに素敵な

キラキラとした時間を、

そして、

ペアリングを用意してくれたことを

すごく嬉しく思っていた。


「そろそろ、家まで送っていくよ」


圭輔はさらりと言うと、

真由に視線を向ける。


真由もその視線にこくんと頷く。




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