ダイダロスの翼
それが、頭痛である。

あまりの激痛に、気が狂う者もいるらしい。


原因ははっきりとは分かっていないが、

技師は『機械化された部分と生身の肉体との、咀齬によるものだ』と言い、

医者は『電脳化に対する不安による、精神的なものだ』と言う。


冗談じゃない、とレイノルドは内心でつぶやいた。


「俺には不安なんかない。

行こうマリーナ、リーダーが待ってる」


レイノルドは痛みを無視した。

気にしなければ、痛まなかった。



< 8 / 58 >

この作品をシェア

pagetop