未来へ

そんな俺に執事は、


「私は柚月様の事も気にいっています。あの方は素晴らしい方です。

あの方の覚悟を無駄にしない様に、今は探されない方がよろしいかと」


「・・・・・」


「それに、取締役か社長に就任した後に再会した方が感動的かと」


「・・・長い道のりだな。その前に結婚させられたら?それに柚月も結婚していたら?」


「全てご自分の意志と覚悟ですよ。柚月様は最後まで指輪を外されませんでしたよ。

あの方の覚悟からして大丈夫でしょう。恒夜様が信じないとどうするんですか」


「あぁ、そうだな。ありがとう。弱気になってたよ」


昔も今も頭が上がらない、何でも分かってしまう良い執事だ。





それから俺は大学を卒業し、本格的に会社に入って早く上役になれる様に、

がむしゃらに仕事をした。

結婚の話もことごとく蹴っていった。時には悪者になったりして。

その間、一度も柚月を忘れる事はなかった。






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