-求愛-
*荒れ果てたその先*
あたしの名前は 柳 愛(やなぎ まな)
中学3年生。

疲れた。休みたい。眠りたい。
誰か分からない男の腕の中でふと思う。「あたしは何のために生きているんだろう。」

「愛・・・。愛してる・・・。」
そう言ってキスされ、抱かれる。
『あっ・・・。』
部屋の中に響くあたしの甘い声。
[愛を下さい]

眠い。だんだんと意識が遠のいてゆく。
夢を見た。
とても懐かしい夢。 中学2年生の頃の夢だ。

あたしは夜の外を1人で歩いていた。
ただただひたすら歩く。何かから逃れるように。
後を追ってくる何かから逃れるために。
あれは何だろう。分からない。
怖い。

そしてあたしは狂ったんだ。きっと・・・
いつの間にかおかしいことが当たり前になっていた。
彼氏が18人もいた。たばこも吸った。体を売った。

好きでそうなったんじゃない。そうさせたんだ。神様が。

幾つも差し伸べられた、救いの手。偽りの救いの手。
たくさんたくさん傷ついた。

夢が覚めた頃、あたしは1人冷たいベットの上に寝ていた。
机の上を見ると一万円置いてあった。

あぁ。また一日が始まった・・・。

[誰かあたしに愛を下さい。
 あたしに精一杯の愛を下さい。
 あたしに恋愛を教えてください。]

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