†SweetBlood†
「ルビーみたい、綺麗…」
思わずその澄んだ瞳の美しさをそのまま言葉にしてしまう。

「…!?」
その瞳が驚愕に見開かれているのにも気づかず、魅入られたように見つめていた。

(ルビー…、ううんそんな硬質じゃなくてもっと…)

血を連想した瞬間、この部屋で目覚める前の記憶がフラッシュバックする。


眩しいほどの光。
タイヤの軋む甲高い音。衝撃と悲鳴と激痛。
夥しい量の血と、暗澹たる嘆き。

「…っうぅ!」
全てが一度に去来し、鋭い痛みが頭蓋を貫く。
< 11 / 41 >

この作品をシェア

pagetop