†SweetBlood†
好かれたいと思ったが、初対面で自分の立場もよく分からない今の状況では、図々しい願いのような気がした。


取り敢えず今のところ友好的な態度をとって貰えているだけ良しとしよう。

そう考え一人で納得してていると、ユフィが控えめに声をかけてきた。

「早速ですが、主様がお目覚めになるまでまだ多少時間がございます。よろしければお屋敷の中をご案内致しますが、如何でしょうか?」

鈴を転がすような可愛らしい声にうっとりしつつユフィの提案に飛びついた。

「お願いしてもいい?」多少窺うような形になったのは、ユフィの仕事を邪魔しているような気がしたせい。
卑屈に見えると分かってはいたが以前から抜けない癖のようなものだった。
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