黒猫ちゃんの憂鬱1
『その寂しさは俺や萌や佐久矢が取り除けるほど簡単で軽いものじゃないんだ。だから今、月はお前を必要としている。助けてやれ』
いや、意味わかんねぇよ。
風魔ってこういうときだけ真剣になるよな。
「そのつもりだけど?」
『俺がいるじゃんっつったな?』
「あぁ」
『・・・今、月の中での順位は陸都が一番上だろうな。そしてその次が寂しさその次が孤独。その次が虚しさ。その次が・・・ヒロ、お前だろう・・・そのぐらい、陸都の存在が月を支えていたってことだ』
「・・・」
『今のお前じゃ、月を支えられているかも分からん。厳しいことを言うかもしれんが、今のお前じゃ役立たずだ。月はお前を好きだと思っているが、それだけじゃ足りない。月は感じていた陸都への思いは莫大でとても重いもの。愛していると何万回、何京回言っても及ばんぐらいの思いなんだよ。月はそれぐらい陸都を愛していたと言える』
「・・・」
『だがお前じゃ、今のお前じゃ一生たってもお前じゃ足りないだろう。だからそのぐらい思っていた奴が自分のせいで死んだと自分を追い詰めていれば狂うさ。いくら月でも、人間だ。無敵でも、感情がないということも有り得ん。男を求めても求めても心の穴が埋まらないんだよ。そこに、お前が堂々と行け』