黒猫ちゃんの憂鬱1







総長しか残っていない中、鉄パイプを振り上げたまま走ってくる間抜けを見て私は嘲笑う。










そんな私を見て腹が立ったのか、走るスピードを上げた。









私はやつに向かって歩く。







距離が縮まる中、無数のバイクの音がした。











『っ・・・何だよコレ!!おい、何・・・人の溜まり場の前で暴れてんだよ!!』








多分・・・帝王だろう。







だけど、今気にしていると、コッチが遣られる。








そして、あと30cmもないとき、鉄パイプを振り下ろすやつに私は静かに頭を右に少しずらして、左手に力を入れて、拳を握る。







グッと音が鳴ったとき、鳩尾に私の拳が入っていて、私に振り下ろされた鉄パイプは、ぎりぎりで私の左肩の少し上でとまっていた。












静かな夜に、カランカランと鉄パイプが落ちた音が、鳴り響いた――――・・・。





















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