意地悪LOVER
「…大地、土曜日は本当に急に帰ってごめんなさい…」
率直に謝る。…だって、あの時のことは自分でも分からないんだ。
玲皇君の物。
急に言われた条件を、呑んでしまったあたし。
なんだか、大地の顔は見れない気がしたの。
「いや、全然気にしてないけどさ…。なんつーか…玲皇となんかあったのかなって…」
「え!?何で!?」
体から冷や汗が。
一瞬、玲皇君との関係がばれたんじゃないかって、そう思った。
「…いや、玲皇がひかりに何かきつく言った…とかさ…。喧嘩になったんじゃないかなって思って…」
「あ…あー…うん。ま、ちょっとだけ喧嘩っぽくは…なったかな…」
「やっぱり?あの後、玲皇も様子がおかしかったからさ…!」
「玲皇君が…?」
「うん。午後から試合でたんだけど、かなり荒れててさ…。」
…ホッとした反面、驚いた。
だって、あの玲皇君が…?
あんなに冷静で冷酷な玲皇君が取り乱すことなんてあるのかな…?
「…でも、もう別に普通だから…」
「…そか!なら良いんだ!」
「うん。…ごめん。本当に心配ばっかりかけてるよね…」
「お、おい!俺が勝手にしてるだけだからさ!マジで気にするな?」
あたしに優しく微笑みかける大地。
うーん…、やっぱり天使以上の笑顔だ。
すっごく癒される。
「うん!本当にありがとう!大地っ」
そして、心の中で"大好き"と加えた。