意地悪LOVER



『お客様、部屋はこちらとなっておりますのでまた何かありましたら従業員に遠慮なくお申し付け下さい』



女将さんに案内されて、あたしと麻衣は今日の宿に案内された。


その部屋は、二人にしたら結構広くて逆に使い方に困ってしまうほど。


「いやー!良いとこだよねっ!」

「うん、よくこんな良い場所あったね」

「まーね!秘境ってやつ!?」

「麻衣は何でも見つけちゃうからなー」


二人で楽しく会話しながら、温泉に行く用意をする。

ここの温泉の名物はもちろん露天風呂なんだけど、実際露天風呂は初めてだから、かなり緊張。


「そういえば!ひかり、クラブは休んでよかったの?」

「あ、それなんだけどね。ちょうどよくこの土日は休みだったんだ!」


そうそう。何故か、この土日はマネージャーは家でゆっくり休んでていいから!
なんて大地があたしに言い聞かすから、あたしはうんとしかいえなかったんだ。


みんなはどうするのか?って聞いたら、ちょっとだけ練習して休みにするって言うから、あたしもそれ聞いてしぶしぶ納得したけど…。


みんな頑張ってるときに、温泉行ってるってやっぱりどこか罪悪感が残るな…。




「ま、とりあえず今日は部活の事なんか忘れようよ!」

「…そうだよね、楽しんで良いよね…!」




あたしと麻衣はウキウキで、露天風呂へと走って向かって行った。




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