意地悪LOVER
「……かりっ!…ひかり!!」
うっすらと目を開けてみると、上には心配そうな麻衣の姿。
「ちょっと、大丈夫!?」
「…ん…、ここ、どこ?」」
のっそりと起き上がって見ると、部屋のようだ。
「あんた、今日泊まる部屋も忘れたの!?」
麻衣にそういわれて、やっと気付く。
自分の部屋だと。
「…あたし、どうしたの?」
「急に玲皇君…大地…なんてモゴモゴ言いながらのぼせていったんだよ!」
「…のぼせた!?」
あたしが驚いて麻衣を見ると、麻衣はおかしそうにクスクス笑った。
「呆れた!すっごく元気そうだし」
「…えへへ…」
どうも、お騒がせしました。
急に現れた玲皇君や大地に相当脅かされたみたい。
「それより…あれが玲皇君?」
「…うん」
はぁ~っと、ため息をついて顔を横に振る麻衣。
「…あれはかっこよすぎだわ」
「…むかつくくらい顔綺麗でしょ?」
「うん」
やっぱり誰から見ても、玲皇君はかっこいいんだ。
…むかつくけど、認めざるを得ない。
「あ、そうそう。大地呼んどいたよ!」
ケロっとそう言う麻衣。
大地を呼んだってどういう意味なんだろ…?
と、麻衣の言葉に首を傾げた瞬間だった。
ドタバタドタバタっ!!!…
と慌しく外が騒いだかと思ったら、急に部屋のドアが開いた。
「ひかり、大丈夫かよ!」
と息を切らして入ってくる大地の姿と、奥にはたいして心配はしてないけど一応来てやったよ、みたいな顔をした玲皇君がいた。