意地悪LOVER
Third Love
許されない恋
「おはよー!大地ーっ!」
今日も君は朝から元気な笑顔で俺に挨拶する。
それが嬉しくて嬉しくて、俺もついついテンション上げて挨拶を返す。
「はよ!!ひかりっ」
「大地、今日も元気だねー!」
「昨日たっぷり寝たからかな!」
「何それ!でも、大地っぽい!」
はは。そんなの嘘。嘘に決まってるだろ?朝からひかりに会えたから俺は元気になれるんだ。
いつもその笑顔でどんな辛いことがあったって頑張ってこれたんだ。
それはきっとこれからもそうだと思う。
たとえ、今その笑顔が誰かのものだとしても。
俺は高校一年の時、初めてひかりと話したときからずっとひかりだけを見つめてきた。
もちろん、ひかりにとっちゃ俺はただの友達でしかないんだけど、それでも俺が近くにいられるならどんな関係でも良かった。
ただ一番近い存在でいたかったんだ。
『好き』と一言、言ってしまえば俺らの関係が壊れてしまいそうで、言うに言えなかった。
だって、ひかりの笑顔が見れなくなると怖かったから。
なのに、こんなにも俺はひかりの近くにいたのに。
ひかりは玲皇と付き合った。
よりによって玲皇と。
玲皇はもちろん、一年だけどサッカーは二年に負けないくらい上手くて、顔だって背だって誰よりもかっこいい。
入学早々、一番モテてたのは玲皇だって聞いた。
そんな玲皇とひかりが付き合っただなんて、正直信じたくなかった。
だけど、二人の姿を何回も見るたびに俺はその関係を信じざるを得なかったんだ。
だけど、ひかりの涙。
俺はそれを見た瞬間、玲皇からひかりを無理矢理でもいいから奪おうと思ったんだ。
だって俺が今まで守ってきたひかりの笑顔を、いとも簡単に玲皇に潰されたのだから。
そんな二人の恋。
俺が許せるはずがないんだ。