パラサイト ラブ
ひとりの朝
目を覚ますと、隣に居たはずの
恋人、英(スグル)の姿がなかった。
身体を起こして、部屋の中を見渡す。
普段と変わらない、見慣れた自分の部屋。
ベッドから出て、カーテンを開けようと立ち上がった私の目に映ったのは、ダイニングテーブルに置かれた小さな鍵。
私は、それですべてを悟った。
――ああ、また逃げられたんだ。
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