パラサイト ラブ
俺はどうしていいか解らずにただキスを受け止め、呼吸で激しく上下する朝乃の背中をさすることしかできなかった。
――どれくらいそうしていただろう。
次第に朝乃は深く息を吸えるようになり、疲れた様子で俺に体重を預けてきた。
「……龍ちゃん、ごめんね」
俺の胸に顔を埋めた朝乃が呟いた。
「いや…っていうか朝乃、もう平気なのか?病院、行った方が」
「…ううん、発作さえ治まってくれれば平気だから……」
「…発作?こうなることはよくあるのか?」
朝乃は、首を横に振った。
「最後の家族だったおばあちゃんが死んだ高校生のときに…初めて発症したの。病院に行ったら精神的なものからくる過呼吸症候群だろうって。
……でも、男の人と付き合うようになってからは徐々におさまって、最近はもう治ったと思ってた。
今日…英に会うまでは」