パラサイト ラブ
「…英に、“今の彼もきっといつか朝乃を捨てる”って言われて―――…龍ちゃんのこと信じてるのに、不安な気持ちに押しつぶされそうになって…そしたら、発作が起きて……」
「…あいつ、そんなことを言ったのか」
「でも、助けてくれたのも英なの。お店の人に袋をもらって私の口に当ててくれて、私が落ち着くまでずっと…声をかけてくれてた」
……助けてもらったのはわかる。
だけど何だ?
まるで俺に“英は悪くない”と言いたげなこの口調……
「朝乃…あいつの元へ戻ろうなんて考えてないよな?」
「……!そんなわけないじゃない。私には龍ちゃんが居るのに…」
「本当に?」
「本当もなにも…今の私は龍ちゃんじゃなきゃだめなんだよ……?」
涙目になる朝乃。
俺はたまらなくなってそんな彼女を強く抱きしめた。