パラサイト ラブ
すぐに対処したおかげか、ほんの数分で朝乃は落ち着きを取り戻して正常に息を吸えるようになった。
俺はほっと胸をなで下ろすと同時に深く反省していた。
…ハナのことだ。
俺にとってハナが女という意識は全くないけど、朝乃はきっと嫌だったに違いない。
軽かったとはいえ発作を起こすほどだもんな……
「朝乃…混乱させてごめんな。でも、ハナは本当にただの幼なじみで妹みたいなものだから…朝乃が不安になるようなことは何もないよ」
そう言って髪を撫でると、朝乃は俺の背中に回していた手にぎゅっと力を込めた。
「…うん、それは解ってるはずなんだけど……なんだか、今までと違う不安が胸に広がった気がして……」
それはきっと、俺の実家という状況に緊張しているからだと…その時の俺は思っていた。