パラサイト ラブ
幼なじみ
初めてハナさんを見たとき、私はてっきりこの家の家族なんだと思った。
龍ちゃんと顔が似ているという訳ではないけれど、台所をまるで自分の家のもののように使っていたし、何より彼女の纏っている明るい雰囲気は、この家にすごく馴染んでいた。
「―――これ、電話でも言ったけど婚姻届。証人のところに父さんと母さんの名前をそれぞれ書いて、印鑑を押して欲しい」
大きなダイニングテーブルをはさんで、私たちは龍ちゃんのご両親と向き合う。
ダイニングと繋がったリビングには弟さんと妹さん、そしてハナさんが時折こちらを気にしながらテレビを見ている。
ハナさん、いつ帰るんだろう……
「――朝乃ちゃんのご両親は、事故かなにかで…?」
龍ちゃんのお母さんが、静かに尋ねてきた。