パラサイト ラブ

――ああ、ただの嫉妬…か。

俺は少しだけ安堵した。



朝乃の嫉妬なら、俺はそれをなだめる術を知っている。


抱きしめて、キスをして、髪を撫でて……腕の中で甘やかせばいい。


…今は運転中だから、それができないけど。



「ハナは家が隣で幼なじみなだけだって言ったろ?あいつを女だと思ったことないよ。朝乃が心配するようなことは何もない」



だから泣くことなんてない、そう言って片手をハンドルから離して朝乃の手を握る。



「幼なじみって……家族なの?」


「え……?」


「ハナさん、私よりずっと可愛がられてた。あの家に馴染んでた。みんな……私よりハナさんを見ている時間の方が長かったよ」


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