パラサイト ラブ


「大丈夫…?」



私は彼のぶたれた方の頬を撫でた。



「…ごめん、変なとこ見せて。
……行こ」



何事もなかったかのようにホテルの方向へ歩き出す彼。



さっきの女の人とはどういう関係なのか聞きそびれたけど、別にいいか、と思った。



たとえ恋人だったとしても、二人は終わったように見えたから。



それより……



「龍二って言うの?名前」



「うん。長山龍二。きみは?」



「市川朝乃。ねぇ、龍ちゃんって呼んでいい?」



「いいよ、朝乃」



彼は自然に私を名前で呼んだ。

…すごく、しっくりくる。



やっぱり、彼とは……

上手く行く気がする。


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