パラサイト ラブ
状況が変わったのは、午後になってからだった。
ここ二、三日で覚えた煙草を喫煙所でふかし、何とか気持ちを落ち着かせようとしていた俺の元に、先輩の青木さんがやってきてこう言った。
「長山くんを訪ねて幼なじみの子が来たよ。緊急の用事とかでかなり焦ってるみたいだから行ってあげてくれる?
1階のソファで待ってもらってるから」
……ハナか。
もしかして何か手がかりが……?
「……ありがとうございます」
急いで煙草の火を消しハナの元へ行くと、ハナは泣きそうな顔で俺に駆け寄ってきた。
「龍二!どうしよう……朝乃さんが……」
「居たのか?」
「…今朝まで居た場所は解ったんだけど、でも、そのあと……」
……嫌な予感がした。
ハナの表情と、そこで切られた言葉。どくんと波打つ自分の心臓が、その先を聞くことを躊躇させる。
だけど俺は大きく息を吸い込み、聞かせてくれ、そう促すようにハナを真っ直ぐに見つめた。