パラサイト ラブ
翌朝、携帯のアラームで目を覚ました俺は、隣でまだ眠る朝乃のおでこに掌を乗せてみる。
だいぶ、熱は下がったみたいだ。
出勤の準備をしている途中で母さんが訪ねてきてくれたので、朝乃の看病を頼んで俺は仕事に行った。
職場に着いたらみんなに謝らなくちゃな……最近の俺は、あまりにもひどかったから。
車を運転しながらそう苦笑するも心は穏やかだった。
もしも家に帰って朝乃の体調が回復していたら、今夜抱かせてくれるだろうか。
母さん、泊まるとか言わないよな……?
頭に浮かぶのはそんな平和な悩みばかりで、放っておいたら上がりそうになる口角を必死に引き締めながらハンドルを握りしめた。