パラサイト ラブ
「朝乃さん、食欲はありますか?おばさんが色々作ってくれましたよ」
そう言われれば、空腹かもしれない。時計を見るともうお昼を過ぎていた。
昨日おかゆしか食べなかったから、お腹がすきすぎて気持ち悪い感じがする。
「じゃあ、ご馳走になろうかな」
熱は下がったらしく、起き上がって歩くことは苦ではなかった。
ハナさんとちぃの後についてダイニングに移動すると、龍ちゃんのお母さんがちょうどテーブルに食事を並べているところだった。
「あら、朝乃ちゃん、もう起きて大丈夫なの?」
「はい。熱はもうないみたいで……遠くからわざわざありがとうございます」
「気にしないで、龍二のお嫁さんになる人だもの。娘とおんなじよ」
ああ、こんなに優しいお義母さんなのに――――…
あのときは、初めての実家訪問に緊張して、不安になって、いろいろ勘ぐってしまった。
「ごめんなさい……」
涙を浮かべながら頭を下げると、お義母さんは慌てて近づいてきて、私の肩を抱いた。
「謝るのはこっちよ。朝乃ちゃんの気持ちに気が付けなくてごめんなさいね。
さ、座って?お味噌汁が冷めちゃう」